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カテゴリ:リウマチ科

リウマチの治療について (財界さっぽろ リウマチコラム第5回)

リウマチ治療で基本薬の第1選択は「メトトレキサート」です。リウマチの薬はどれも注意が必要ですが、その中でこの薬は費用対効果、長期継続性に優れています。処方では量の調整が必要で、さじ加減に医師の力量の差が出ます。かつては、いくら使用しても半分位の人しか効果が見込めなかったのですが、十数年前からは「注射」での特効薬が出てきました。

注射による投薬「生物学的製剤」は非常によく効き、副作用も少ないのですが、費用がかさむのが難点です。高額療養費制度を使えば長期的な医療費は抑えられますが、それでも経済的な負担は大きいです。

しかし、費用に見合うだけの効果があり、実は患者側だけではなく、国全体の費用対効果としても優れています。リウマチの好発年齢は30-50歳ですが、この年代は労働力を担う年代でもあります。リウマチで失職や介護が必要になるより、働いて納税してくれるほうが逆に国家経済性はいいのです。

「注射」は誰しも嫌いなものですが、最近では待望の飲み薬の新薬「JAK阻害剤」も登場してきました。注射と同じくらい非常によく効きます。しかし、全ての新薬に言えることですが、長期の安全性についての実績がまだありません。また、注射と同様の費用がかかります。現状では初めに使う薬ではなく、基本薬を十分に使っても効果が不十分な患者さんに使います。

評価の分かれるステロイド薬は、症状を緩和する薬です。早くて確実な有効性がある一方、離脱困難による長期使用での副作用という問題点を併せ持つ〝諸刃の刃〟です。使い方にも医師の力量の差が出ます。

以上、さまざまな薬がありますが、どれを使うかは、それぞれの患者さんで条件が違います。痛みの程度、利き手などの部位、炎症の程度、腎臓病や感染症などの合併症、年齢や経済状況など、患者さん一人ひとりに合わせて選択する必要があります。

 

第1回「リウマチの症状について」はこちら

第2回「リウマチの診断について」はこちら

第3回「あなたはリウマチではない」はこちら

第4回「リウマチが難病である理由」はこちら

最終回「リウマチと日常生活について」はこちら

「関節リウマチ除外後の関節痛に対するアグリコン型イソフラボン (へバスター) の効果の検討 日本リウマチ学会(2021)で院長が発表」はこちら

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