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カテゴリ:リウマチ科

リウマチが難病である理由 (財界さっぽろ リウマチコラム第4回)

リウマチをわかりやすく例えるなら「自分の白血球と関節がケンカをして関節がケガをしていく病気」になるでしょうか。どちらも身内であり必要な存在です。これは体の中で家族がケンカしているようなもので、どちらかを追い出すこともできず、この先もずっと同居が必要です。

ケンカが続くと関節のケガが重症化して傷跡が残ってしまうので、うまく薬で仲裁しなければなりません。薬により攻撃側である白血球を抑えるのですが、完全に抑え込んでしまうと本来の働きも抑えてしまうため適度に抑えます。

このケンカをうまく仲裁できた状態を「寛解」といいます。これは「完治」や「治癒」とは違います。白血球の抑え込みを止めると、またケンカが始まります。うまく抑え込みつつ同居しなければならないのです。

ケンカする家族との同居。考えただけでも厄介な状態であることがお分かりいただけたかと思いますが、いわゆる「難病」なのです。白血球側が一方的に悪いのか、それとも関節側が白血球を怒らせる何かをやらかしているのか、ケンカの原因はよくわからないのです。原因が不明である以上、根本的な関係修復が難しく、仲裁の維持が必要です。最近では新薬が次々に登場し、寛解の達成は可能となってきました。ただ、薬による仲裁は続けていかなければなりません。リウマチの治療は、長い付き合いとなりますので、可能な限り負担の少ない治療にしたいものです。

一方、リウマチは骨が溶ける病気です。ケンカによる関節の傷跡が残るのを避けるため、手遅れになる前にケンカの制圧を目指して治療を強める必要があります。しかし、治療は強める一方通行ではありません。白血球を冷静にさせた後は、仲裁の手を緩め、最低限の抑止力で平和の維持を目指します。

長期的な視野で、その都度適切に薬の強弱を調整するのがリウマチ専門医の役割となります。

 

第1回「リウマチの症状について」はこちら

第2回「リウマチの診断について」はこちら

第3回「あなたはリウマチではない」はこちら

第5回「リウマチの治療について」はこちら

最終回「リウマチと日常生活につて」はこちら

「関節リウマチ除外後の関節痛に対するアグリコン型イソフラボン (へバスター) の効果の検討 日本リウマチ学会(2021)で院長が発表」はこちら

「リウマチではない、のその先に。」はこちら

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