財界さっぽろ7月号から、院長によるコラムが始まりました。第1回はリウマチの症状についてわかりやすく解説しております。
リウマチといえば温泉の効能に書かれていて「これ何?」と思われていた人も多いと思います。リウマチは「手足の関節が痛くなり、進行すると骨が変形する病気」です。温泉の効能には痛みを和らげる作用があり、昔はリウマチの治療といえば温泉などで症状を緩和することが中心だった時代もありました。
いわゆる難病であったわけですが、最近は適切な薬でリウマチを克服することが可能となってきました。しかし、未だに昔ながらの治療を続けている人もおられます。リウマチについて多くに人に知ってもらいたい。その願いで連載を引き受けさせていただきました。初回はリウマチの症状について説明します。
リウマチの重要なキーワードとして「朝のこわばり」があります。朝起きて手足がこわばり、動かしにくい症状のことです。数分で改善する場合もありますが、ひどい場合は一日中続きます。これがリウマチの最初の症状として出る場合があります。なぜこわばるのか。その仕組みが関節の超音波検査によって最近わかってきました。
こわばりの原因は関節の周りの腱でした。腱鞘炎という言葉は聞いたことがあると思いますが、通常は物理的な使いすぎで起こります。しかし、リウマチでは病気として「腱鞘滑膜炎」という異常が起きるのです。これが朝のこわばりの原因です。「滑膜」は滑らかに動くように潤滑液を出す役割がありますが、実はリウマチはこの滑膜に炎症が起こる病気なのです。
また、リウマチの症状として関節の腫れがあります。突き指をした時のような感じで腫れます。人によって痛みはあまり感じず、腫れているだけの場合もあります。この原因の一つも関節の中にある「滑膜」の腫れです。リウマチの症状は滑膜の異常から来るものなのです。「朝のこわばり」と原因不明の「関節の痛み」、もしくは「関節の腫れ」が重なった場合は、リウマチを疑ってみてください。
「関節リウマチ除外後の関節痛に対するアグリコン型イソフラボン (へバスター) の効果の検討 日本リウマチ学会(2021)で院長が発表」はこちら
「更年期関節痛へのエクオールの効果について、日本リウマチ学会(2020)で発表」はこちら
「札幌大通リウマチ内科の予約」はこちら