院長が日本リウマチ学会に下記内容で発表いたします。本来4月に行われる予定でしたが、コロナ禍の影響で8/17よりWeb開催されることになりました。抄録内容は下記の通りです。
あなたはリウマチではないのその先 －関節リウマチ除外後の更年期関節痛に対するエクオールの効果の検討－
【目的】市中リウマチクリニックには、関節リウマチ(RA)以外の関節痛を呈する患者も多く訪れる。女性ホルモン低下による更年期障害の部分症状として関節痛が知られるが、改善にはホルモン補充療法(HRT)が効果的であるとされる。しかし、HRTには特有の有害事象もあり、リウマチ専門医としては扱いにくい。一方、エクオールは大豆イソフラボンの代謝産物であるが、女性ホルモン様作用を有し、更年期障害の改善を目的に婦人科領域でも推奨されているサプリメントである。RA以外の関節痛を有する女性患者におけるエクオールの効果を検討した。
【方法】対象は当院をRA精査のため受診し、RAを除外した後にエクオールを任意で購入した女性患者。エクオール は1日10mg服用のものを使用した。エクオール開始前、3ヶ月後の上肢障害評価表(DASH)、簡略更 年期指数(SMI)を比較検討した。
【結果】当院初診患者224名中90%が女性で、87%はRAの診断には至らなかった。更年期障害の部分症状としての関節痛が疑われる患者にエクオールの説明を行ったところ、58名がエクオールを購入し、3ヶ月後の任意アンケートに11名が回答した。DASH scoreは33%、SMIは42%の改善が得られ、いずれも服用前後で有意差を認めた。特に有害事象は認めなかった。
【結論】RA以外の関節痛を有する女性患者において、エクオールは更年期障害の症状改善とともに上肢の症状を有意に改善した。HRTには不慣れなリウマチ専門医でも、サプリメント(食品)であるエクオールは扱いやすく、関節症を有する女性患者の改善策の一つとなると考えられた。
「関節リウマチ除外後の関節痛に対するアグリコン型イソフラボン (へバスター) の効果の検討 日本リウマチ学会（2021）で院長が発表」はこちら
「札幌大通リウマチ内科の予約」はこちら
「リウマチではない方が多いです」はこちら