院長が2021年4/26に行われる第65回日本リウマチ学会総会・学術集会に下記内容で発表いたします。抄録内容は下記の通りです。
関節リウマチ除外後の関節痛に対するアグリコン型イソフラボン (へバスター®) の効果の検討
【目的】更年期に関節痛を有する女性は多く、関節リウマチと好発年齢が重なる。更年期症状は女性ホルモンの変動に起因するためホルモン補充療法が効果的であるが、乳癌などの有害事象もあり、リウマチ医が扱うには敷居が高い。一方、大豆由来イソフラボン代謝産物サプリメントは、女性ホルモン様作用を有するが、有害事象が少なく、婦人科領域でも推奨される。関節リウマチ除外後の関節痛を有する女性において、アグリコン型イソフラボンの効果を検討した。
【方法】対象は当院で関節リウマチを除外後に任意でサプリメントを購入した女性。アグリコン型イソフラボンは1日30mg (へバスター®)、エクオールは1日10mg (エクエル®)を使用した。開始前、3ヶ月後の上肢障害評価表 (DASH)、簡略更年期指数 (SMI) のアンケート結果を比較した。
【結果】当院を関節リウマチ精査で受診した1187名中86%が女性で、88% は関節リウマチの診断には至らなかった。更年期関節痛が疑われる患者にホルモン補充療法及びサプリメントの説明を行い、409名がサプリメント (エクオール 153名、アグリコン型イソフラボン 256名) を購入した。アグリコン型イソフラボンを摂取し3ヶ月に到達した135名中50名から回答が得られ、DASH 29%、SMI 16%の改善を認め、いずれも有意差を認めた。有害事象は認めなかった。また、エクオールからアグリコン型イソフラボンに切り替えた患者11名で効果の差を認めなかった。
【結論】アグリコン型イソフラボン (ヘバスター®) は、関節リウマチ除外後の更年期症状及び上肢障害を有意に改善した。エクオール (エクエル®) からの切り替えでも効果に差がなく、より安価であることから、関節リウマチ除外後の更年期関節痛の改善策として有用であると考えられた。
※下記図表は学会発表に用いられた最新データ(2021年2月時点)を用いたスライドです。抄録提出の時点(2020/9月時点のデータ)とは数値が異なります。また、エクオールからアグリコン型イソフラボンへの切り替えでSMIが有意に改善している点も抄録とは異なります。
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